日保連要望の実現性は?業団は交渉窓口の見直し必要
日本保健鍼灸マッサージ協同組合連合会(日保連)の佐藤テル代表理事ら7名が昨年12月に厚生労働省を訪問し、老健局老人保健課の井上智貴課長補佐に、鍼灸師が介護保険分野でより活躍できる環境づくりを求める要望書を手渡し、鍼灸師は機能訓練指導員に認められないことと、今年の介護報酬改定の進捗状況について説明を求めた。
井上課長補佐は「ご要望は確かに承りました」としたものの、介護保険の仕組みや介護報酬については社会保障審議会介護給付費分科会で議論されており、同分科会では鍼灸師に関することは議題に上がっておらず、検討されていないと説明した。また、介護報酬の改定の内容は既に大筋で決定しており、鍼灸師の要望を追加で反映させることは困難だとした。
日保連はこれまでも与党民主党の樽床伸二幹事長代行、牧義夫厚労副大臣にも同様の要望を繰り返してきたが(918号、919号参照)ほとんど効果が得られていないという現実が明らかになった。
日保連役員は、「厚労大臣や行政の担当部局に直接お願いしても進展しないことがわかりました。社会保障審議会介護給付費分科会の委員に業界の現状を説明して理解を求め、分科会の席上で取り上げてもらうことが必要だと強く感じました。しかし、分科会にはあはき師に理解のある委員がいないので、現状は厳しいです」とし、業団の要望を実現させるためには、今後は要望を訴える相手や交渉手段を見直す必要があると語った。
鍼灸柔整新聞平成24年1月25日より
掲載日/最終更新日 : 2012年1月30日(月)